金融資産運用

経済指標

国内総生産(GDP)

国内総生産とは国内の経済活動によって生み出された、財・サービスといった付加価値の総額で、内閣府が四半期ごとに発表しています。支出面からみたGDPの構成比を見ると、個人消費である「民間最終消費支出」が最も高い比率を占めます。その国の経済力の規模を示す数値ともいわれます。

※GDPには物価変動を反映して算出した「名目GDP」と名目GDPから物価変動の影響を取り除いて算出した「実質GDP」があります

※内閣府が発表する民間最終消費支出が最も大きい割合を占める

景気動向指数

景気動向指数とは、景気の状況を総合的に見るために景気に対して敏感に変動する30の指標を統合した指数で、毎月、内閣府が公表します。「CI(コンポジット・インデックス)」と「DI(ディフュージョン・インデックス)」の2種類があり、それぞれ「先行指数」「一致指数」「遅行指数」の3つのし指標で構成されています。

GDPと景気動向指数はいずれも内閣府が公表します。

CIとDIの違い

CI」

      CIは景気の動きのテンポや大きさを測定。現在はCIを中心に公表。

      ※CIの一致指数が上昇していると景気の拡張局面を示します

      「DI」

      DIは景気の各経済部門への波及度合いを測定。

      ※DIの一致指数が50%を上回ると、景気の拡張局面を示します。

      指数の代表例

      • 先行指数・・・・景気の動きに先行して動く指数⇒新規求人数(学卒除く)、東証株価指数など
      • 一致指数・・・・景気の動きと一致して動く指数⇒有効求人倍率など
      • 遅行指数・・・・景気の動きより遅れて動く指数⇒完全失業率、消費者物価指数など

      日銀短観

      日銀短観の正式名称は「全国企業短期経済観測調査」です。全国の大企業や中小企業等の企業経営者に対する調査のことで(アンケート)、日本銀行(日銀)年4回、四半期ごとに調査して集計・公表しています。中でも最も注目されるのが「業況判断DI」です。DIが下降に転じたときは景気が後退局面入り、DIが上昇に転じたときは回復局面入りしている可能性が高いといえます。

      業況判断DI=業況が「良い」と答えた企業の割合ー業況が「悪い」と答えた企業の割合

      ※業況判断DIは景気が良いと思っている企業の割合から悪いと思っている企業の割合を差し引いた単純な指標です。

      ※景気動向指数で出てきたDIとは別のことです。

      物価指数

      物価指数とはモノやサービスなどの価格の動向を指数化して表してものです。様々な物価指数がありますが、重要なのは「消費者物価指数」と「企業物価指数」です

      消費者物価指数

      • 公表元:総務省(毎月)
      • 内容:全国の一般消費者が購入するモノ・サービスの価格変動を表す指数

      企業物価指数

      • 公表元:日銀(毎月)
      • 内容:企業間で取引される商品価格の動向を表す指標(サービスは除く)消費者物価指数より変動が激しい

      物価が継続して上昇している状態をインフレ(インフレーション)といい、それに伴いお金の価値が下がります。逆に物価が継続して下落している状態をデフレ(デフレーション)といい、それに伴いお金の価値が上がります。

      <インフレの例>:1個100円の商品が、インフレにより150円になった場合、この商品を買うのにこれまでより多くのお金が必要になるので、相対的にお金の価値が下がったことになります。

      通貨量を見る指標

      「通貨量を見る指標」というのは、世の中に出回っているお金や、金融機関と日本銀行がやり取りをしているお金の量を見る指標です。

      マネーストック統計

      • 公表元:日本銀行(毎月)
      • 内容:個人法人地方公共団体などが保有する通貨の総量(国や金融機関が保有する通貨は含まない)→金融機関が世の中に供給しているお金の量

      マネタリーベース

      • 公表元:日本銀行(毎月)
      • 内容:日本銀行が供給する通貨量→世の中に流通しているお金の量と、金融機関が日本銀行に預けているお金(日銀当座預金)の合計

      金利の変動要因

      金利が変動する要因には、景気・物価・為替レート・海外金利・通貨量などがあり、それぞれに、例えば「景気が回復すると金利は上昇しやすくなる」といった基本的な法則があります。実際の経済は、さまざまな要因によって、必ずしも法則通りに動くわけではありませんが、基本的な法則は理解しておきましょう

      金利が変動する理由

      景気と金利の関係について「なぜ景気が回復すると金利が上昇するのか?」といった理由を理解しておくと覚えやすくなります。それぞれの変動要因について、金利が変動する理由を解説します

      景気と金利

      1. 景気が良くなる⇒企業の資産需要が増加→金利上昇↑
      2. 景気が悪くなる⇒企業の資産需要が減少→金利下落↓

      物価と金利

      • 物価が上がる(インフレ)⇒お金が多く必要になる→金利上昇↑
      • 物価が下がる(デフレ)⇒お金があまり必要でなくなる→金利下落↓

      為替レートと金利

      • 為替レートが円安になる⇒輸入製品の物価が上がる→金利上昇↑
      • 為替レートが円高になる⇒輸入製品の物価が下がる→金利下落↓

      海外金利と国内金利

      • 海外金利が上がる⇒円を売り、外貨を買うので円安になる→金利上昇↑
      • 海外金利が下がる⇒外貨を売り、円を買うので円高になる→金利下落↓

      通貨量と金利

      • 通貨量が減る⇒市場に出回るお金が少なくなる→金利上昇↑
      • 通貨量が増える⇒市場に出回るお金が多くなる→金利下落↓

      為替レートと金利・通貨量と金利の内容は間違えやすいので気を付けましょう

      通常、資金の需要が多いときに金利が上昇します