リスク管理

保険の基本

保険の分類と種類

保険には国や地方公共団体が運営している公的保険とそれを補うための民間の保険(私的保険)があります。

民間保険の種類

①第一分野(生命保険)

  • 終身保険
  • 定期保険
  • 養老保険
  • 個人年金保険など

②第二分野(損害保険)

  • 火災保険
  • 自賠責保険
  • 任意加入の自動車保険など

③第三分野(その他の保険)

  • 医療保険
  • 介護保障保険
  • 傷害保険など

保険に加入することで病気や事故などのリスクによってもたらされる経済的な損失を軽減させることができます。

生命保険の保険料を決める原則

①大数の法則:個々の事象は偶発的(偶然)だったとしても、大数で見ると一定の確率性があること。 例えば、サイコロを何万回も振ると1が出る確率は6分の1に近づくこと。 保険料には男女別や年齢別の死亡率等のデータを用いて算出されます。

②収支相等の原則:保険料は契約者から受け取る保険料総額・運用益と保険会社が受取人に支払う保険金の総額・経費が等しく(収支相等)なるように算定されます。

※生命保険料の設定には以上のような合理的な原則をもとにした計算がされています。

契約者の保護

保険契約者保護機構

保険会社が破綻してしまっても契約者との契約を守る必要があります。そこで破綻保険会社の契約移転等にともなう資金援助などを行うのが保険契約者保護機構です。

国内で営業する生命保険会社や損害保険会社は、生命保険契約者保護機構や、損害保険契約者保護機構に加入する義務があります。ただし、少額短期保険業者共済組合加入しません

保険契約者補保護機構の補償内容(原則)

①生命保険:補障割合→破綻の時点で責任準備金等の90%

②損害保険

  • 自賠責・地震保険:補償割合→保険金の100%
  • 自動車・火災・短期傷害・海外旅行傷害保険:補障割合→破綻後3ヶ月は保険金の100%   その後は80%
  • 年金払型積立傷害保険・その他の疾病・傷害保険:補障割合→保険金の90%

責任準備金とは・・・保険会社が将来の保険金等の支払いに充てるために積み立てておくべきお金のこと

ソルベンシー・マージン比率

大災害など通常の想定を超えるリスクに保険会社がどれだけの「支払余力」を持っているかを表す指標です。数値が高い方が支払余力が高く健全性が高いことを意味します。ソルベンシー・マージン比率が「200%」を下回る保険会社に対しては金融庁が早期是正措置をとることができます。

クーリングオフ制度

一定の要件を満たせば申込側から契約申込みの撤回等をすることができる制度

手続き⇒「契約の申込日」または「クーリングオフについて記載された書面を受け取った日」のいずれか遅い日を含めて8日以内(簡単に言うと1週間以内)に申込みの撤回または解除する旨を書面または電磁的記録で申し出ます。

クーリングオフできない例

  • 保険期間1年以内の契約
  • 医師の審査を受けた後(医師の審査を受けた=契約する意思があるとみなされる為)
  • 契約者が法人の契約

少額短期保険

少額短期保険業者が扱う保険期間が短期で保険金額が少額な保険のことです。

少額短期保険の特徴

  • 保険期間の上限→生命保険、第三分野の保険は1年、損害保険は2年
  • 1人の被保険者から引受できる保険金額の総額は、原則1,000万円が上限
  • 保険業法と保険法は適用される
  • 保険契約者保護機構による保護の対象外
  • 保険料は、生命保険料控除や地震保険料控除の対象とならない

少額短期保険業者のイメージとしてはペット保険とかが身近でイメージしやすいと思います。

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